20日、会派届が提出され、新しい構成が固まった福岡市議会。今回の選挙で、議席を1増やし、20議席となった自民党は、12議席の公明党と合わせて32議席。定数62の同市議会において、両党のみで過半数を上回った。
会派に属していないのは、元職の荒木龍昇氏(早良区)と、新人の橋田和義氏(中央区)のふたりのみ。このうち橋田氏は、選挙戦の経緯から会派に属すことができず、現在のところ孤立している。
橋田氏は、(株)九電工(本社:福岡市南区那の川)の橋田紘一社長の子息。出馬が明らかとなるや、さまざまな注目を集めた。そして、同氏を支援したのは、福岡県議会議員を引退する早麻清蔵県議。早麻氏は、中央区で12期務めた大ベテラン議員である。
早麻氏は、もともと自分の孫を後継にしたかったといわれている。しかし、その孫はまだ24歳。年齢がひとつ足りず、被選挙権がなかった。後援会からのワンポイント・リリーフを出すという話も出たが、早麻氏の地盤は、草香江と南当仁の2校区だけ。県議選を勝ち抜くだけの票がない。そのため、残された両校区の地盤を、新たに市議候補を擁立して引き継がせる道を模索。そして、橋田氏に声をかけた。
しかし、早麻氏が橋田氏を推すことについて、自民党市議団からは猛烈な反対があった。同市議団では中央区選出で8期務めた石村一明市議が今期限りで引退。その後継に新人の会社社長・中島正裕氏を自民党が推薦する形で擁立していたのである。
選挙の結果、橋田氏が石村市議の後継候補に162票差という僅差で競り勝ち初当選。自民党関係者曰く「そう簡単には解消できない"しこり"が残った」という。
【特別取材班】
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