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特別取材

福岡経済の発展を港湾開発で支えて50年~博多港開発(1)
特別取材
2011年4月29日 07:00

博多港開発(株) 取締役社長 中島 紹男 氏

 博多湾の一角に悠然と浮かぶアイランドシティ(以下、IC)。このICの開発をめぐっては、これまでさまざまな議論があった。ICの開発に深く関わり、その発展に尽力する博多港開発㈱取締役社長の中島紹男氏に、ICそして博多港のこれからのあり方について話を聞いた。

(聞き手、文・構成:I・B編集長 大根田 康介)

<2つの大きな課題>

 ―ICは現在、照葉のまちを中心に住民が暮らしており、また将来的には青果市場や高速道路が通ることでまちとしてますます発展していく要素はあります。しかし一方で、生活関連の施設が少ない、島に至る道が少ないため利便性が悪いなどの課題もあります。この点については、どのようにお考えですか。

博多港開発(株) 取締役社長 中島 紹男 氏 中島 ICは全体面積が約400haあり、そのうち半分が「みなとづくりエリア」で、国際的な物流に対応するための港湾関連施設が立地するエリアです。このエリアには、新青果市場も立地することになっています。また、約200haが「まちづくりエリア」で、うち約98haが博多港開発㈱工区(以下、会社工区)、残りが福岡市工区(以下、市工区)になります。
 IC整備事業は、1994年から埋立工事に着手し、会社工区については2001年に竣工しています。02年には主要幹線道路の供用も開始されています。05年にはまちびらきが行なわれ、同年12月から入居も始まりました。11年2月末現在、約3,900人もの方が生活を営まれています。また、照葉小中学校の開校や股関節・膝関節外科病院の開院に加え、10年には保育所や特別養護老人ホームが開所するなど、まちづくりは着実に進んできていると思います。
 しかし、まちとして完成するためには、やはり商業施設、業務施設あるいは文化施設などが必要だと考えています。とりわけ会社工区と市工区が向かい合うところの、いわゆる「センター地区」については、できるだけ早く整備・充実を図っていく必要があります。
 また、交通アクセスの向上も重要です。現在、自動車専用道路の事業着手に向けた取り組みや海の中道大橋を含めた海の中道アイランド線の4車線化などが進んでいますが、こうしたものが早く整備されて、ICの交通利便性を向上させていく必要があります。

(つづく)

| (2) ≫

<プロフィール>
中島 紹男中島 紹男(なかしま・つぎお)
1949年生まれ。73年中央大学卒業後、福岡市に入庁。92年(財)アジア太平洋センター事務局長、99年総務企画局人事部長、05年港湾局長、09年㈶福岡コンベンションセンター理事長を経て、10年6月博多港開発(株)取締役社長に就任。


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