<業者間を橋渡しするビジネス>
輸入ビジネスの場合、日本の代理店とは少し意味合いが違うが、いわゆる、輸入業者と輸出業者をつなぐ役回りだ。輸入業者と輸出業者に取引をさせて、手数料をもらうビジネスが海外ではある。レプレゼンターという職業があるのだ。売りたい人と買いたい人を結びつけるだけで、大体8%から20%の手数料が入る。なので、わたしたちが現地で何かを買いたければ、レプレゼンターを見つけるとよい。レプレゼンターが道中を付き合ってくれて、売りたい人に引き合わせてくれるのだ。なので、わたしたちがレプレゼンターになれば、資金ゼロでも輸入ビジネスができるのだ。
基本的に輸入は前金が常識だ。しかし、資金がない場合は後払いを頼むという方法もある。ヨーロッパには日本と同様に、掛売りの概念があるので、メーカーに後払いをお願いすると、10社に2~3社はOKしてくれるようだ。日本人はモラルを重んじる国民性なので、こういう場合、有利に働くことが多い。そして、うまく掛売りが成功すれば、販売先には前金でもらうようにする。そうすることで、資金ゼロでも取引ができるのだ。
<売れる商品を開拓するには>
売れそうな商品をどこで見つければよいのか。わたしの経験から、海外の展示会に参加するのが手っ取り早い。国内の国際見本市も良い。世界に目を向ければ、数千という業者が参加する大規模な見本市もある。商品探しには、大規模な国際見本市に行くのが非常に効率的だ。ポイントは日本初上陸のもの、日本ではまだ紹介されていないもの、実用新案などの知的所有権のもの。そのあたりは狙い目だ。大手企業が見向きもしないもの、ニッチな分野を攻めてほしい。
うまく商品が見つかったら、価格をどうつけるかだ。わたしの経験では、アジアの国の商品なら、仕入れ値の10倍以上の価格をつけたい。欧米だと5倍程度が妥当だ。10倍の価格をつければ、10個のうち1個しか売れなくてもOKだ。あとの9個はいくらで売っても儲けになる。思った価格がつけられないのならば、きっぱりとあきらめることも大事だ。
長年の経験から、これまでいろいろなノウハウを示してきたが、輸入ビジネスといえども、ビジネスの基本は、人対人だ。相手国と信頼関係をしっかりと築いて、グローバルなビジネスをしてほしい。しかも、今は空前絶後の全面円高だ。新規参入なら、まさに今がチャンスと言えるのではないだろうか。
【杉本 尚大】
≪ (3) |
*記事へのご意見はこちら