全国生コンクリート工業組合連合会および協同組合連合会(ZENNAMA)は4月27日、2010年度(2010年4月~11年3月)の全国生コンクリート出荷量を発表した。
組合員・非組合員の総出荷量は、8527万8,229m3。09年度比99.1%。1億m3、9,000万m3の出荷量にも及ばなかった。ピーク時90年度の1億9,799万m3の43%まで落ち込んでいるのが現況である。10年4月現在の工場数3,714工場で換算すると、1工場当たり平均年間22,961m3の出荷。月間平均では、1,913m3。ますます業界の衰退化に拍車が掛かっている。
ただし、東日本大震災による生コン工場の被害は、いまだ明らかになっていないので工場数の減少数は流動的である。だが、業界一体となった経営合理化を推進しなければ、生コン工場の破綻先がより膨れ上がる公算が高い。セメント業界も価格面に関して、強気の姿勢で交渉に挑んでくるであろう。震災復興特需などをあてにしている場合ではない。
「本音のところ、事業を辞めたがっている企業は、多数存在する。だが、資金難に陥って破綻する企業が出るかを固唾を呑んで見ているのが現況。そんなことをしている間に自分の工場が、潰れてしまうよ。業界全体で、各人自ら血を流す覚悟を決めて工場を減らすというアクションに出なければならない。我欲を捨てる時だ」とは、九州北部地区の生コン工場経営者。
極論、工場数を半減させれば月間3,800m3の出荷である。業界関係者は、本当に他人事で無い数値に成り果てていることを、実感していただきたい。
【河原 清明】
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