ライオンズクラブ337-A地区 次期ガバナー 井上 勉 氏
<アジアフォーラムと震災の影響>
―来年にはアジアフォーラムが福岡で開催されます。それについてのコンセプトなど、お考えをおうかがいします。
井上 3月11日、東日本大震災が発生しました。16年前の阪神・淡路大震災の3倍となる被災規模になっています。亡くなられた方と行方がわからなくなった方を合わせると、3万人に達しようかという大規模な震災です。それに加えて、今も原子力発電所の事故が収まっていません。アジアフォーラムは成功させなくてはなりませんが、規模については再考の可能性が出てくるかもしれません。
―それはどうしてですか。
井上 東日本ではライオンズクラブ会員も多数が被災され、クラブの存続自体が危ぶまれている地域があるとの情報もあります。命は助かっても、怪我を負っていらっしゃる方も多いと思います。家が流された方もいらっしゃるでしょう。こういう方たちは、まず自分の生活を立て直すことを第一に優先しなければなりません。ですから、東北からの参加者が減ってしまうこと、さらに震災により何らかの影響が出て仕事に尽力せざるを得ない方々も多くいらっしゃると思います。国内だけでも、相当数の会員が参加できないことも予測されます。
―今回の地震は、たいへん大きなものでしたからね。まずはご自身の生活を立て直してもらうのが、何よりの地域貢献になることでしょうから、それは仕方ないことだと思います。
井上 さらに、原発事故の風評が世界に広がっています。アジアもその例に漏れず、とくに東南アジア地域の方々は来日すること自体を懸念していらっしゃるようです。国内外の参加者が減る可能性が高く、したがって普段と同じ考え方ではいけないのではないかと考えています。
―どの程度の来福がありそうですか。
井上 震災以前の予想では、登録者は1万3,000人規模が考えられましたが、ある程度の目減りは避けられませんし、それによる収入不足の発生も考慮すべきです。
―福岡のライオンズマンにとって大きなイベントですから、それでも満足してもらえるように励まなくてはいけませんね。
井上 そうですね。縮小といっても大切な部分はどこか、何に力を入れるべきかを考え直すことから始めて、やるべきことはやらなければいけないと思っています。組織の改革と同じように、見つめ直す良い機会になるかもしれないですね。予算はかけられないけれども、その分、福岡の会員全員の心意気でカバーしたいですね。
【文・構成:柳 茂嘉】
<プロフィール>
井上 勉(いのうえ・つとむ)
1939年11月、岡山県生まれ。貧しい幼少期を経てサラリーマンになり27歳で独立。西部化成㈱を設立する。40歳を超えてライオンズクラブに入会。リジョン・チェアパーソン、ゾーン・チェアパーソン、地区委員長などを歴任し、今年7月から337-A地区ガバナーに就任予定。趣味は旅行。
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