<九州企業の対中投資を盛り上げるには>
九州とりわけ福岡は「アジアのゲートウェイ」と言われて来たにも関わらず、対中投資に至っては、日本全体の1~2%を占めるに過ぎない。GDPの10%と言われる九州経済においては、少しさびしい数字である。理由としては、九州が「支店経済」の役割のため、大手企業の海外投資に関する意思決定は、首都圏にある本社が握っていることが多いことが挙げられる。また、中小企業が99%を占める九州において、産業界全体での十分なサポート体制がとられてこなかったことが原因と思える。進出企業は、1986年から2008年までで累計450社となっていて、ここ数年は、年に20件程度に留まっている。
今後の対中ビジネスで留意すべきポイントは、中国政府の動き、市場動向、経済動向を見極めた事業進出計画を立てること。低賃金目当ての進出は、もはや限界がある。調達、設計、管理や経営において、どれだけ「現地化」を明確に打ち出せるかがカギとなるだろう。
そして、地方から中国進出を目指す動きを活発化させるためには、地場中堅・中小企業の進出支援体制を整える必要がある。現在、九州経済産業局、九州経済連合会などが中心となって、アジア進出企業のための相談窓口の設置を検討しているが、このように官民一体となったビジネス支援体制を構築する必要があるのではないか。
【杉本 尚大】
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