5月4日のJR大阪三越伊勢丹の開業から3日後の7日土曜日、大阪の観光スポットの1つであるミナミ地区の心斎橋周辺では明暗が分かれた。心斎橋と大阪一の繁華街・道頓堀を結ぶ心斎橋筋アーケードは人通りが多かった。それでも、とある小売店の従業員は、「いつもと比べて人通りは若干少なくは感じますが、売上自体は落ちていません」と語る。
道頓堀のたこ焼き店従業員は、「ゴールデンウイーク終盤にかけて客足は減っている感じがしますね。外国人観光客は原発の影響でサッパリでしたが、GWの序盤は国内の観光客が多かったですよ。とくに4日、5日は多かった。道頓堀はキタとミナミにできた大きな商業施設の影響は受けてないと思いますね」と語る。
一方、大阪市営地下鉄心斎橋駅に直結する地下商店街のクリスタ長堀では7日午前11時半、通行人はまばらだった。アパレルショップの従業員は、「通常、ゴールデンウイーク期間を含め、週末はかなり人通りも多いのですが、これは間違いなくキタの三越伊勢丹とミナミのキューズモールの影響を受けています」と話す。また、飲食店の従業員は「通常、お昼前にこれだけガランとしたことはありませんでした。4日以降は全然ですよ」と新スポットに挟まれ、影響が大きいことを語っていた。
しかしながら、悲壮感漂っていない。「いつもよりお客さんが少ない分、来ていただければ、ゆったりと買物ができますよ」「今は影響を受けていますが、今後、キッチリ盛り返していきますわ」などと前向きなコメントが聞かれた。転んでもタダでは起きない大阪商人の気概を感じた。
【流通取材班】
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