キタとミナミについで、大阪第三の繁華街と言われる天王寺・阿倍野地区。JR天王寺駅をはじめ5駅7路線が集積し、1日平均乗降客数は大阪駅・梅田駅周辺の約240万人、難波駅周辺の約86万人につぎ、約78万人を誇るターミナルエリアである。
4月26日、同地区に大阪府下最大級のモール型ショッピングセンター「あべのマーケットパーク キューズモール(以下キューズモール)」がオープンした。店舗数は約250店舗、売上目標は年商400億円、店舗面積は約6万m2だ。梅田にオープンしたJR大阪三越伊勢丹の売場面積は約5万m2であることを考えても、巨大なショッピングモールであることがわかる。
キューズモールには、日本最大級の「ユニクロ」「東急ハンズ」「イトーヨーカドー」「ABCクラフト」(総合手芸店)などがテナントとして入っている。とくに「SHIBUYA109ABENO」では東京・渋谷で10~20代の女性に人気の商業施設SHIBUYA109の109ブランドを導入。若い女性向けの衣類、靴、ファッション小物、雑貨などを中心に35店舗のテナントが入っている。「SHIBUYA109ABENO」内のとあるスタッフは、「1万2,000円以上購入された方へ数量限定でノベルティグッズとしてカバンを用意していたが、すぐに無くなってしまった。109を楽しみに待っていた子は多いようですね」と話した。
キューズモール内のアパレルスタッフによると、「フロア構造的には1階はユニクロをはじめとしたカジュアルな雰囲気の店舗が多く、2階は109をはじめとしたヤング向けの店舗が多い。3階はABCクラフトもあり、雑貨系の店舗が多い。面白いと思ったのは、大音量のクラブ系音楽が流れ、多くの若者が集まっているSHIBUYA109のエリアに、孫とおばあちゃんで買い物している光景を何度も見かけたこと。それだけ施設全体で様々な年代の客が集まっているということだろう。このままいろんな年代層に愛される施設になってくれればいい。」と語った。
また、「オープンしてから数日は広い通路も通れない位に人が殺到していた。GW期間中ということもあり、とくに前半に人は多かった。観光客や関西の実家に帰省している人も多く訪れていたのではないかと思う」という。4月29日~5月8日の来場者は約200万人だったという。若者から、お年寄り、家族連れまで様々な年代層の客で賑わっていた。キューズモールのポイントカードは、当初の予定を大きく上回る好評ぶりで、在庫不足となり、種類によっては入荷待ちの状況となっていた。百貨店の新店舗オープン・増床が注目されているが、百貨店以外の商業施設のオープンや増床も、人の流れに大きな影響をおよぼしそうだ。
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