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ミナミ、人の流れに変化の可能性~大阪百貨店戦争・視察レポート(6)
流通
2011年5月16日 13:21

 天王寺・阿倍野エリアには、「近鉄百貨店阿倍野店」があり、同店の横には、「Hoop」、「and」と言った商業施設がある。Hoopでは、人気女性モデルの道端アンジェリカによるトークショーが行なわれており、10、20代の女性を中心とした観客を集めていた。

「Hoop」「and」

 JR天王寺駅には、「天王寺ミオ」、「ステーションプラザてんのうじ」といった商業施設がある。土曜の午前11時30分頃天王寺駅には多くの利用客がいるのにも関わらず、天王寺ミオの施設内は買い物客が少なく、ただ通り道として利用している客も多いようにも感じられた。

「天王寺ミオ」 大阪市在住の男性によると「天王寺ミオなどは、通常人が多い施設。キューズモールのオープンで人が流れているのではないかと思う。天王寺周辺は難波と比べて、商業施設などが少なかったため、堺市など、天王寺よりも南に住んでいる人などは、天王寺を通りすぎ難波で買い物をしている人が多かった。キューズモールができたことにより、天王寺エリアが充実し、ここで買い物の用事がすべて済むとなれば、難波まで買い物に行かなくていいという人も出てくるのでは」と懸念する。

 近鉄大阪阿倍野橋駅に近鉄百貨店阿倍野店があるが、このエリアの百貨店は同店のみで、2014年の増床リニューアルオープンに向けて現在は工事を進めながら営業している。
 近鉄百貨店のフロア構成は、主婦層を意識した店舗が多く、実際買い物している客も50代以上の主婦が多く感じられた。ただ、キタ(梅田周辺)にJR大阪三越伊勢丹、近場にキューズモールができた影響はあまりなさそうで、いつもの客がいつもの場所で買い物をしているように感じられた。

工事を進めながら営業する「近鉄百貨店阿倍野店」

 ただ、近鉄百貨店のヤング向け婦人服コーナー「ヤングスクエア」はよくも悪くも影響をうけているようであった。ヤングスクエア内スタッフは「キューズモールがオープンしてから天王寺自体に人が増え、キューズモールだけでなく周辺の商業施設で買い回りをする人も増えたようだ。そのため、しばらくお客も多かった。天王寺・阿倍野周辺しかし、今日はお客がさっぱり。土曜日なのにこんなに人が少ないのには驚いた。今はキューズモールやJR大阪伊勢丹に行っている人が多いのでは」と語った。

 天王寺・阿倍野周辺地域は、駅が多くターミナルもある交通の要所であると同時に住民も多い。また、同エリアには学校が密集しており、学生を中心とする若年世代のニーズが高いと言える。近鉄百貨店のリニューアルオープンは2014年の予定であり、増床後は売場面積約10万m2となる予定。今後同地区がさらに充実していくと思われ、今後も注目のエリアだ。

(つづく)
【流通取材班】

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