極限状況にある被災地では、数多くのストレスやプレッシャーが存在し、それは震災の被災者だけでなく、それを助ける側の医療従事者にも如実に現れてきている。
日本赤十字社の関係者によると、数日前に起こった石巻赤十字病院での出来事を明かした。同病院で行なわれたミーティング終了後、突然、ひとりの女性医師が倒れ、一時は心配停止状態になったというのだ。幸い発見が早く、女性医師は周囲にいた医師の懸命な救命活動により、何とか一命をとりとめた。心肺停止した理由は詳しくは不明だが、「被災者を助けなければいけないというプレッシャーと不規則な生活が原因ではないか」と関係者は話す。
この女性医師だけが特別な例というわけではない。多くの医師がストレスやプレッシャーと戦い、限界まで体を酷使しており、いつ倒れてもおかしくない状況だという。今回はたまたま医師の目の前で倒れたため、発見が早く一命をとりとめたが、人目がないところで倒れれば最悪の状況も考えられただけに、医師の心と身体のケアへも注意が必要な状況にあるといえる。
【特派員:中山 俊輔】
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