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追跡!裁判事件簿

「博多織」VS「博多帯」裁判の行方は~日本和装ホールディングス(株)(3)
追跡!裁判事件簿
2011年5月30日 07:00

<勝負の行方は>

博多織訴訟掲示板 事の発端は、09年1月に博多織・大島紬の製造・卸売を手がけていた(株)後藤(福岡市)が倒産したことにさかのぼる。「吉田代表は福岡出身で博多織には思い入れが強い。そこで、後藤の子会社で博多織製造をしていた匠工芸を引き取った」(同社広報)という(詳しくは同社HP「博多織訴訟掲示板」)。同社の子会社である日本和装ホールセラーズ(株)(福岡県大野城市)が工場設備と従業員を継承し、同年2月に博多織の製造を開始した。

 呉服と言えば京都だが、西陣の問屋は博多織の製品に関しては「ほぼすべて後藤から仕入れていた」(A氏)とされる。入手困難な織機と熟練した技術を持つ職人を確保した同社は、「博多織工業組合の組合員にしてほしい」と寺嶋貞夫理事長に吉田氏自ら面談して申し入れたが、「日本和装は大手で、価格面や販売イメージの点で折り合わなかった」(工業組合事務局)ため、組合には入れなかったようだ。

 そこで日本和装は、博多織物協同組合を結成し「博多帯」という名前で博多織を売り出したが、工業組合が「商標権の侵害に当たる」として訴訟を提起した。

 勝負の行方はどうなるのか。「博多織は、カネ儲け主義の西陣織と比べてブランド管理が厳しいという印象だ。組合が訴訟を起こすのは当然だろう。西陣でも以前、中国で織ったものを『西陣織』として販売していたことが問題となった。今回の場合は、織元が博多だとハッキリしているから異なるのだろうが、それでも博多織は伝統を積み重ねてきたものであり、工業組合と商標権で争えば日本和装にとって厳しい結果になることは避けられない」とA氏は分析する。

 どちらも「同じ博多織を愛する者としてこんなことでは争いたくない」という気持ちのようだが、裁判というかたちになった以上、明暗はわかれる。同社はホームページなどで情報を詳らかに開示しており、何ら非が無いことを主張している。また、「これまで『博多帯』を販売したお客さまからのクレームはとくにない」(同社)という。ただ、訴訟が長引けば企業イメージにとってもマイナスとなり、今後の訴訟の行方が注目される。

(了)

【大根田 康介】

≪ (2) | 

[COMPANY INFORMATION]
日本和装ホールディングス(株)
代 表:吉田 重久
所在地:東京都千代田区丸の内1-2-1
設 立:1986年7月
資本金:4億5,963万4,444円
売上高:(10/12連結)63億1,055万円


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