2010年5月から10月までの半年間、延べ7,300万人の来場者で中国初の国際万博として大盛況に終わった上海万博。
パビリオンのなかで最も人気のあった中国館は、多くの見学要望により10年12月から今年(11年)5月までの半年間、元のままの状態で再度オープンされた。また、今年7月には中国文化博物館としてリニューアルオープンが決定している。一方、建設に1億ドルかかったと言われるサウジアラビア館のパビリオンのほか、人気のあった数軒のパビリオンがリニューアルオープンされることも決まっている。
しかし、その他のパビリオンは万博事務局との契約上、撤去されるはずだった。半年たった今でもゲートやパビリオンは残されており、封鎖されたまま人や車の出入りはない状況である。
今後、跡地は、上海都市計画として国際会議センター、文化施設、高級ホテル、グローバル企業の本拠地として土地を整備し、国際ビジネス街となる。また14年開園予定で上海ディズニーランドの建設計画が決定している。しかし、上海の不動産価格の高騰により、国が不動産税を導入するなど土地の売買に対する取締りが厳しくなったため、実行に時間を要した。一時的に大々的な開発を見合わせていたが、ようやく今年3月構造計画プランの草案が発表され、5.28km2の万博跡地やその周辺を含めた新たな都市計画が動き出す。
万博後のバブル崩壊を懸念する声もあったが、上海都心部の広大な開発エリアを2,000万人以上が住むメガシティは、計画さえ決まれば建築が急ピッチで行なわれ、数年後にはまたも世界が注目するエリアに様変わりするだろう。
【山下 理恵】
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