上海の久光百貨店の入り口となりで見慣れぬ化粧品ブランドを見かけた。ロゴは「fo」(フー)と表記してある。正式には「The History of fo」というらしい。韓国ブランドだ。
久光百貨店のフロア構成は日本とあまり変わらない。地下が食品売り場。1Fに化粧品。その上層にヤング婦人服、つづいてミドルとなって家電品・子供服などが続く。太平洋百貨店もほぼ同じ造りだった。
百貨店の顔というべき化粧品売り場にはフランス、アメリカ、日本などのブランドが多くみられていた。かつて中国では「入り口に近い方からシャネル、資生堂という並びが主流だった」という。(流通関係者)それは、そのままブランドの評価に直結する。言われてみれば、太平洋百貨店はその並びだった。
ところが、久光百貨店は「fo」がその位置を勝ち取っていた。同店で気付いた韓国ブランドは「fo」のみだったが、ほかにもMISSAやDr.Jartなど韓国ブランド上海進出を果たしている。現地ガイドによれば化粧品だけでなく「ファッション」全般に今は韓国ブランドの方が人気があるという。現地の「ファッション」の概念は日本より広い。「衣類だけでなく、化粧品や、映画などまで含まれる」という。日本語では文化・風俗のイメージか。「日本のドラマは話が短い。ドラマも長編が多い韓国製が人気です」と、ガイドは説明する。
「化粧品は高級なイメージでしたが今は廉価な印象。若い子が使っていますね。年配者はシャネルやディオールなどフランス製の支持者が多いのではないのでしょうか」(現地ガイド)。
もともと韓国ブランドの化粧品は人気が高かったが、あらゆる商品のブランドイメージでも地殻変動が起きている。
【流通取材班】
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