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積水ハウス100周年へ、生き残りをかけた経営戦略はあるか(4)
連載コラム
2011年6月17日 07:00

<海外事業は救世主となるか(2)~中国への進出>

ビル群 日本経済の長期の低迷、高齢化、少子化という構造的変化で、どのように対処していくか、経営的判断に立っての決断であろう。ただ、住まいはその国の生活、歴史そのものである。
歴史も知らず、風土もわからず、宗教も理解せず、その国で営業活動しても成功は難しいだろう。わからないことを理由に、現地人にすべてをませてしまえば利益も出ない。
 海外の国々も日本同様、経済は低迷している。国の戦略として、外国企業の進出は大歓迎なのである。なぜなら、雇用が増えるからである。そのため、あらゆる歓迎の褒め言葉で誘致を図ると言われている。その甘い言葉に乗せられず、海外進出には周到な調査、準備が必要と言われている。海外企業の進出をあまり歓迎しない日本、海外企業の進出への規制が強い日本とまったく違うのである。海外事業は常にリスクと隣り合わせと理解せねばならないだろう。

 和田会長の年初の公約通り、中国審陽で80億円投資し、「鉄骨住宅工場」を建設することが公報で発表された。中国国内向け、次世代省エネ、高性能工業化住宅需要に対応するためとしている。
 また、審陽市、蘇州市の4つの大型都市開発プロジェクトに参画、中心市街地にホテル、マンション群の複合開発を行なうとして、蘇州に子会社を設立することも発表した。子会社名は「積水常成(蘇州)房地産開発有限公司」とした。

 董事長(中国語で理事長、会長、代表取締役に相当)は、積水ハウス副社長、国際部長の和田純夫氏、資本金は約211億円、出資比率は積水ハウス97.85% 蘇州常成置業有限公司2.15%の合弁会社である。いよいよ、中国に本格進出を始めたと認識すべきだろう。優秀なスタッフを抱え、スタッフの情報、協力者の情報を吟味し周到な準備を重ねての決断と思われる。

 しかし一方で、部下が和田会長の強い意向をおもんばかり、建前賛成になってないかという危惧もある。かっての日本の軍隊のように、目に見えない圧力,雰囲気に押されて思わぬ方向に行ってないだろうか。日本の企業は先を争って中国に進出しようとしている。もう少し中国の事を知った上で慎重に事を構える必要があるのではないだろうか。思わぬ落とし穴が待ってるのかも知れない。

 中国は特有のコネ社会と言われている。60代のリーダー層は、胡錦涛に代表されるような精華大学理工学部出身で固められている。40~50代は、文化大革命世代で、ほとんど教育は受けていない。この年代はコネ、独善的態度、脅迫まがいの言動で交渉を有利にしようとする古い体質を持っている。このような人たちはいずれ淘汰されるだろう。
 しがたって、40代以下、英語を話し、経営知識、科学知識に富み、コネより合理性を重視する新人類、このような若い聡明な実務官僚、経営者と親交を深めるべきだろう。このような人たちと正攻法で付き合い、投資も正攻法で行なうべきで、この方法こそがチャイナリスクマネジメントの要諦である。コネが効く、中国通といわれる人の言われるがまま、あえて法規を無視、許認可や優遇措置を受けた場合、いつの日か、後ろ盾になった人が摘発を受けたり、連座を受けたりて、許認可が取り消されるリスクがある。

(つづく)

【野口 孫子】

※積水ハウスへの誹謗中傷するものではありません。

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