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積水ハウス100周年へ、生き残りをかけた経営戦略はあるか(8)
連載コラム
2011年6月23日 07:00

<海外事業は救世主となるか(6)~中国進出・不可逆性のリスク>

 中国特有のリスク、チャイナリスクの代表例として、不可逆性のリスクがある。それは一度実行されたら、容易に元に戻すことができないのである。投資資金で購入された土地、建物、設備は他社(他者)に売却して資金回収を図っても、買いたたかれ、ほとんど売却損が出る。そのため投資資金の回収は難しいのが通例と言われている。

投資リスク もちろん日本国内の投資もリスクがあるが、中国進出はこの「不可逆性」の程度が大きく、投資額はほとんど返らないものと考えるべきだろう。日本では状況の変化に応じて、計画の事業規模を、内容を変えることができる。最悪、土地、建物、設備を売却、損金を最小限に抑えることができる。しかし、積水ハウスは、中国での住宅地の開発、住宅、マンションの販売の許認可を中国当局から受けているわけだから、事業を開始して、途中からどうも不都合が多く、当初の事業計画を変更したい、修正したいと思っても、一度許認可受けた事業を途中で変更するためには、再認可が必要であり、その手間、時間が相当かかると思わねばならない。

 合弁の場合は、さらに難しく、合弁相手の合意が必要なのだ。相手が同意しなければ、変更もできない。話し合いを重ね、新たな無理な条件を飲まされたりする可能性もある。やむなく、撤退と決断しても、設備とか日本に持ち帰るためにも許認可がいる。その手間隙で、結局はほとんど無償に近い条件で、中国側に譲渡し、撤退するケースが多いと言われている。

 このように、中国進出とは一度渡ったら、容易に引き返すことは出来ないのである。しかし、そのようなリスクは乗り越えられるものとして、積水ハウスはすでに中国進出を決定している。

(つづく)

【野口 孫子】

※積水ハウスへの誹謗中傷するものではありません。

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