福岡市と民間企業が出資する第三セクターの(株)博多座(本社:福岡市博多区、芦塚日出美社長)が、2010年度決算で純損益約4億7,700万円の赤字を出し、04年以降では初の累積赤字となる見通しであるという。
博多座は、1999年に開業し、歌舞伎や大物演歌歌手の座長公演などの演目で集客を行なってきたが、2007年度に赤字決算。リーマン・ショックがあった08年度は過去最大5億7,474万円の赤字を計上した。景気の影響もあるが、一方で、変わり映えのない内容がマンネリ化を招いたとの指摘もある。また、重役に市OBが天下りしており、その経営に疑問符がつけられている。
10年度の赤字は、17日に開かれる株主総会で報告されるということだが、そもそも12年の半ばまで興行スケジュールが決まっており、集客数の増加が今より見込めない状態が続く可能性は高い。自主制作興行の増加やコスト削減などの策が検討されているが、今までにないジャンルの演目を呼び込むなど、集客数向上を図る積極的な策も講じなければ、衰退の一途をたどることは目に見えている。
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