1日平均22kmの走行でありながら年間3.3億円の予算が使われている福岡市の黒塗り公用車(俗称、クロヌリ)。2006年度にクロヌリを含む乗用自動車121台の処分と関連職員111人の削減を実現した大阪市を取材した。
大阪市によると、同市は「市政改革マニフェスト(市政改革基本方針)」における取組課題のなかで、最も喫緊の課題である財政危機の克服に関連する行財政改革の各取組の基本的な考え方やその後5年間における具体的取組を明らかにすべく、06年3月に「大阪市政改革マニフェストに基づく新しい行財政改革計画」を策定した。
そのなかで「事務事業の再編・整理、廃止・統合」の具体的な取組内容の一環として、各局・区に配置されていたクロヌリを含む乗用公用車を原則として廃止し、06年度に121台の処分と職員111人の削減を実施したという。
現在は、市長、副市長、議長、副議長のクロヌリと運転手については入札契約で対応し、各局長は原則として公共交通機関で移動しているという。また、クロヌリを外部委託にする場合の問題点として福岡市役所内でよく耳にする「運転手の守秘義務」について確認すると、リース会社との契約書に守秘義務の内容があり、現在までのところ問題なく運用されているという。
福岡市の状況が大阪市とまったく同じではないかもしれないが、大阪市をはじめとして他自治体での取り組みを参考にすれば、福岡市でもクロヌリにかかる経費を節約することが可能なのではないだろうか。
【吉澤 英朗】
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