年間約3.3億円以上もの予算を使っている福岡市の黒塗り公用車が、同市への取材で、なんと1日平均22kmしか走行していないことがわかった。
福岡市財政局財政部の自動車管理事務所によると、福岡市が保有する黒塗り公用車は22台。内訳は本庁に13台、港湾局に2台、7つの区役所に各1台ずつとなっており、各車両に運転手がひとりずつ配置されている。本庁分の内訳は、市長、3人の副市長、議長、副議長、議会事務局、教育委員会に各1台、自動車管理事務所に5台となっている。
また、運転手22人のひとりあたりの年間平均走行距離は5,399km。1カ月単位では約450km、1日単位では約22km(1カ月の勤務を20.5日として計算)となる。
22kmがどのくらいの距離かというと、福岡市本庁舎からでは、おおむね東はアイランドシティ(東区)、南は油山(南区)、西は生の松原(西区)までを往復する距離。平均時速30~40kmで考えた場合、所要往復で約40分となる。
1日平均22kmしか走らない車のために、運転手がひとりずつ配置されているというのはどうしても理解しがたいところだ。また、1日の勤務がこれだけで終わるとは到底思えない。運転手の勤務実態とはどのようなものか。市役所の関連部署に取材を行なった。
【吉澤 英朗】
| (2) ≫
*記事へのご意見はこちら