福岡市で年間3.3億円以上もの予算が費やされている22台の黒塗り公用車。1日平均22kmしか走らないという運転手の勤務実態を調べたところ、そのうちの一部の運転手は、1日平均で約7時間も"待機"していることがわかった。
福岡市財政局財政部の自動車管理事務所によると、黒塗り公用車の運転手は、車両走行中以外は事務所や目的地で待機しているという。ただし、8時間の勤務時間のうち、待機中は何もしていないわけではないとのこと。
同事務所によると、同事務所の車両係が管理する運転手5人は、待機時間を活用して本庁舎にある軽自動車103台の定期点検(点検は、3カ月と9カ月の2種類)をしているというのだ。
しかし、その点検で勤務時間のほとんどが費やされるというわけではない。運転手ひとりあたりの点検台数は月平均3.4台。各点検の所要時間は2時間で、1カ月に点検する時間は延べ6.8時間となる。1日に割れば約20分だ(1カ月の勤務を20.5日として計算)。
黒塗り公用車の1日平均の走行距離は22kmで、これを時速30~40kmで走ると、所要時間は約40分。1日約40分の走行と約20分の点検時間を差し引いても、運転手ひとりあたりの待機時間は1日平均約7時間となる。これで約3.3億円以上もの予算が費やされているということは、やはり理解しがたい。
【吉澤 英朗】
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