20日に開かれた福岡市議会本会議で、高島宗一郎 福岡市長は黒塗り公用車の見直しについて、前向きな態度を示した。みんなの党福岡市議団の吉武輝実市議の黒塗り公用車の廃止についての一般質問に対するもの。
吉武市議は、「民間企業では経営の合理化や徹底した経費削減など必死の経営努力をしているにもかかわらず、2.5兆の負債がある福岡市に運転手付の黒塗り公用車が多数存在することは福岡市民および納税者の感覚と乖離している」と述べ、公用車のあり方について執行部へ説明を求めた。なお、質問のなかで「黒塗り公用車の運転手ひとりあたりの平均年収は735万円」と吉武市議が説明すると、傍聴席からは驚きの声がもれた。
吉武市議の質問に対し、野見山財政局長は、「黒塗り公用車についてはこれまでも適宜見直しを行なっており、2002年度に36台から22台へ削減し集中管理化するなどしている。黒塗り公用車の運転手は運転業務以外にも、交通安全教室の実施や市の軽自動車の3カ月・9カ月点検などの管理業務も行なっている」と回答。もっとも、同局長が例示した業務を含めても、黒塗り公用車運転手の1日の待機時間は平均7時間であることは既報の通りである。
一方、高島市長は、黒塗り公用車について「これまでも車両を集中管理するなど見直しを進めてきたが、さらなる見直しを行なう。今後とも簡素で効率的な市政運営の推進をする」としたうえで、「財政局で関係局と協議しながら効率的な運行体制について検討を行なっている」「民間が担うことができることは民間に委ねるという考え方にたって市民サービスの向上と経費の削減を図っていきたい」との答弁を行なった。
【吉澤 英朗】
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