26日、福岡市博多区で市民グループ「この指とまれ大地(つち)の会」による岩手県・三陸鉄道復旧のためのチャリティ・コンサートが行なわれた。東日本大震災発生の翌日から、"生活の足"を復旧するため、身を粉にして線路を覆う瓦礫などの後片付けに取り組んだ三陸鉄道(株)。その実話に心を打たれた主催側の呼びかけに応じ、100名を超える人々が集まり、会場は用意した椅子が足りず、立ち見が出るほどの超満員となった。
主催代表の山本香代子氏は、6月上旬に実際に三陸鉄道および三陸海岸の被災地を400kmに渡って視察。会の冒頭、「たいへんな状況のなか、三陸鉄道のみなさんが笑顔を絶やさずにがんばっている姿を見て心を打たれました」と語った。続いて概要説明が行なわれた後、同じく岩手県・三陸海岸を視察した福岡市議会議員・高山博光氏が、地震と津波災害の凄まじさを熱く語り、会場へ支援を呼びかけた。
コンサートを行なったのは、三陸鉄道への支援キャンペーンに賛同した、北九州市出身のシンガーソングライター・冨永裕輔氏である。持ち前のやさしい声で歌われた心温まる7つの曲に会場はひとつになった。なお、冨永氏は今後も同キャンペーンに協力していくという。
一方、「折り紙は祈り」として、地域活性化のために1枚の紙から作る『ハッピー・ドラゴン』の普及運動に取り組む、大牟田市出身の元航空自衛官・吉澤英朗氏も参加。「三陸鉄道に幸運を」と、丁寧に折られた折り紙は、被災地へも贈られる。
主催代表の山本氏は、「岩手の被災地復興のため、その第一歩となる三陸鉄道の復旧をささやかながら支援するためにも、第2回、第3回と続け、九州一円に支援の輪を広げていきたい」と語っている。なお、今回の収益金は、会場の応援メッセージとともに三陸鉄道株式会社へ直接贈られるとのこと。「人と人、笑顔と笑顔をつなぐ三陸鉄道」は、遠く離れた福岡の笑顔ともつながった。
福岡から始まった支援の輪が、近い将来、九州だけでなく西日本一円にも広がっていく、そう予感させる内容であった。
【山下 康太】
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