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コダマの核心

目標貫徹シリーズ(16)~詐欺しても原発を防衛する九電(4)
コダマの核心
2011年7月 9日 10:11

恥ずかしい『無知』

<菅首相では勝負できず>

 菅氏に対しては昨日までは「愚図でもよい、場当たり的でも良い、何でも批判しなさい、結構な指摘です。開き流しなさい」と助言してきたが、「貴方は無能だ、胆力がない、政治センスがまるでゼロ、だから即刻、辞めなさい」と勧告することにした。
 玄海原発の再開を巡る戦いは『原発利権派』と『自然再生エネルギー派』との関ヶ原の戦いと位置づけられていた。玄海町には「再開の要請」の根回しが済み、古川佐賀県知事が攻略され「再開OK」の意志表明をする。『詐欺師集団』の司令塔・経済産業省の巧みな布石は功を奏すると見られていた。菅氏はその権力闘争の敗北感を味わい、焦燥感に駆られていた。

九州電力 本店  だから敗北の流れを食い止めようと6日に菅首相は「ストレステスト(安全性評価)を導入する」と発表した。得意の『出しぬき場当たり』作戦だ。普通ならば玉砕戦術になる。ところが幸か不幸か焦る必要もない『詐欺師集団・九電』が「ニセメール」という自爆テロに踏みきったことで形勢逆転の流れができた。元小泉首相ならここで大博打を挑んでいた。解散という強権を振るっていた。だが、しかし残念ながら菅氏にはその「勝負時期」に決断を下す政治センスがない、決断力がない。きのう(8日)の政局を眺めると「立ち往生し、腐って終り」の菅政権の成れの果てが確定したようだ。

<プロは誰でも3月11日の夜に、メルトダウンを確信>

 8日の昼、新日本製鉄のOBを取材した。研究所在籍した技術者である。「マスコミの端くれのコダマさんを目の前にして嫌味をいうのも恐縮だが、今の記者たちはまったく無知だね。騙くらかすのはわけがないね」と吹聴するのだ。こちらとしても思い当たる節があるので反論できない。この猛々しい姿勢はまだ崩さないのだ。「私だけでない。同僚の仲間たちも同様の見解に至った。『3月11日の夜にはもうメトルダウンが起きていたな』とメールで確認し合ったのだ」。こちらとしては「えー」と大声を発するしか術がなかった。

 研究所では長い期間をかけて「特殊鋼板で原発の底を支える限度について」を議論し研究してきたそうだ。溶鉱炉では1,400度で鉱石類はすべて溶ける。耐熱最強の特殊鋼でも1,800度で溶け、鉄の原子機能まで消滅されるそうな。あの3月11日、原発の爆発によって到達した温度が2,800度であったことは発表された。結論、この計測された温度=2,800度を耳にすれば、「OBの仲間たち、誰もが『原発の底は抜けた=メトルダウンの発生』を察知するのが常識であった」となる。あらー、赤面の思い。

 熱血漢OBはさらに鉄槌を下す。「マスコミの記者の馬鹿さ加減には呆れる。東電の関係者の隠蔽報道に翻弄された『著しい損失状態』としか表現しかできないのだから。われわれ、専門家に取材を求めれば核心情報を提供できたのに」。この罵倒に対して一言も反論の余地もできない。取材対象者のボロがでたときだけ「これでもか」と叩きまわすマスコミの報道姿勢には同業者として違和感を抱く。

 筆者もわが無知を恥じる。他社のことは関心がないと言えば嘘になる。A社のB記者(名前を明かしても構わないが、経済担当としておく)はどうしているのだろうか懐かしい。九電社長宅の貴賓室で接待を受けたから提灯記事を書いたわけでもなかろうが、「玄海原発安全」報道記事は、もはや10年前のものであるかのように長い時間が経過した気分だ。それだけ連日、『詐欺師集団・九電』の原発再開画策ドラマが展開されているのである。

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