<エコ戦略>
21世紀は「環境の世紀」と言われ、流れは、脱石油、クリーンな原発エネルギーの推進に傾きかけたが、福島原発事故を機に、世界は自然エネルギーの推進へと大きく舵を切るターニングポイントが生まれた。
国際社会、とくに環境先進国と言われる欧州は、自然エネルギーを利用した持続可能な(サステイナブル)社会を目指すことへとはっきり舵を切った。これは積水ハウスの目指すものと同じである。
前号で述べた「スマート・グリッド」が確立できれば、各家庭の屋根の太陽光発電から、自己の家庭用に、自己のプラグイン・ハイブリッド車、さらに電気自動車へ供給、配電線に組み込まれたITが、電気が余れば、隣の家へ、街全体で融通し合うよう、クモの巣ように、張り巡らせ、効率よく電力が供給されるだろう。これを推進しているのがシリコンバレーのグーグルである。日本ではソフトバンクがいち早く手をあげたのは同様の動きであろうと思う。
積水ハウスは環境問題についての、各種の運動、取り組みを行なってきているが住宅に太陽光発電を装着するとか、ゴミを出さないとか、里の森を形成させるための五本の木植樹運動などなど、積極的に取り組んできた。しかし、やっていることは枝葉で、最終目標であるCO2ゼロの住宅を提供しているものでもない。政府が推進しようとしている住宅屋根に太陽光発電機の搭載などの「再生可能なエネルギー政策」にいち早く同調すべきであろう。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」は「まことに小さな国が開花期を迎えようとしている」という有名なフレーズで幕を開ける。積水ハウスで言うならば、「50年前、青雲の志を抱いた青年たちが、誕生間もない積水ハウスとともに、坂の上を目指した」といったところか。
当時の積水ハウスは、資本力、販売力、技術力など、どれをとっても「まことに小さな会社」であった。しかし、今や紛れもなく日本を代表する企業に成長している。しかも世界に向かって打って出ようとする「世界の積水ハウス」になろうとしている。
何よりも「エコファースト企業」と言われるほどのエコ先進企業である。2000年から始めたエコ活動では、チャレンジを続け、幾多の苦難を乗り越えて、今日に至っている。その試みはまだ途中経過だが、今や再生可能なエネルギーの利用は日本政府、世界の潮流になってきた。このチャンスを見逃す手はないと思う。
【野口 孫子】
※積水ハウスへの誹謗中傷するものではありません。
*記事へのご意見はこちら