<九電若手社員も詐欺師集団と運命共同体ではない>
もう一度、繰り返すが、「やらせメール」は危機感に駆られて画策したものではない。原発担当前副社長が当然の如く指示をしたのである。住民を愚弄するのは「詐欺師集団・九電」の発想である。いつものように6月26日の「原発再開を巡る公開討論会」(主催・経済産業省・実質的にお国の主催)に原発賛成偽装の策を講じたに過ぎない。悪そびれた気持の欠片をひとつも持ち合わせていないのである。ところが、便宜なツール=ネットに頼っていたことで落とし穴に嵌(ハマ)った。内部告発をされたのである。
便宜なツールには致命的な問題が孕まれている。2,000件からのメール指示をすれば悪意工作に怒りを感ずる若者が現れてくる。責任司令塔の極悪人=前副社長の信念は下記の通りである。「九電および九電関連会社の社員は会社防衛のために忠誠心を尽くす」と。時代錯誤も甚だしい。「市民正義に反する企業活動は許さない」という価値基準が若者の思考のなかに浸透していることにまったく頓着がないのである。わが詐欺師集団の倫理が「優先=すべてである」から脇が甘くなるのも当然だ。
この前副社長は憮然としてこう吐き捨てるかもしれない。「あいつ(告発した青年)は関連会社の社員だ。九電の社員はこんな犯罪行為はしない」。そうでしょうかね。
中堅にさしかかっている40歳の九電正社員と話し合った。「コダマさん!!われわれ世代から下の社員たちは何を目標して働くか悩んでいるところです。要するに上を向いて事を穏便に済ましていけば世間並みを超えた保証はされるでしょう。しかし、絶対服従して得る対価が魅力あるものとは思えません。上層部がやるこんな法破りの破廉恥なことをわれわれが賛成するはずがありませんよ。ますます白けますね。何より小学校に行っている子ども二人が可哀そうです」。感情を押さえているが腸が煮えたぎっているのは間違いない。
<原発反対運動者にとっては便利なツール>
九電本店前で原発反対の座り込みをしているAさんは元気が良い。10年前まで、本店前で座り込み、街頭デモで歩いても孤独感に苛まされることが度々であったそうだ。「市民の安全のために体を張って運動してきたのに真剣に考えてくれない。一体、運動の拡大が可能であろうか」と自問自答をよくしたものだ。たしかに支援の輪は徐々に広がりがあるが、顔馴染みのサークル活動のレベルでしかなかった。訴える強力な武器がなかったのだ。
ところが今は比較にならない強力な宣伝ツールを武装できるようになった。それは「ネットメール」である。いろいろな集会、勉強会で知り合う人たちと名刺を交換してメールアドレスを得る。その積み重ねで2,000人へメルマガを送り届けられるようになった。定期的にメルマガを送ると様々な御意見が返ってくる。集会の呼び掛けも便利になったという。「2,000人にメルマガで呼びかければ最低1万人に伝わる」ことは間違いない。
いまや「ネットメール」には、「携帯メール」も付加されている。九電本社前に座り込みでいるAさんは愉快でたまらないだろう。この4カ日間の正門前での九電関係者の狼狽ぶりを目の当たりにして「これが、あの巨大企業・九電か。なんと脆いものよ。蜂のひと刺しならぬ自爆で墓穴を掘るのだから」と内心、高笑いをしているだろう。
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