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巨大学園の実像を追う 都築学園グループ(11)
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2011年7月27日 12:09

 都築学園グループのなかには、すでに巨額の債務超過に陥っている学校法人がある。都築俊英学園が2010年3月に233億円の債務超過であり、これが都築関東学園との合併後に債務超過に転じたものであることは前回述べた。同時に都築学園グループの資産総額が大きく目減りしていることは、前回(10)の表に記載した通りである。定員の大幅オーバーという荒業で築き上げた資産も、定員割れの状況で毀損し始めている。
 
<借入金の額は学校法人のなかでも突出>

都築学園グループ 都築俊英学園の09年の資産総額142億円と、都築関東学園の08年(09年は不明)166億円が、両法人の合併により10年3月には▲233億円の債務超過となった。都築関東学園の09年の資産総額が不明のため判然としないところはあるが、短期間で巨額の損失処理が発生したことは間違いない。より正確に述べれば、都築俊英学園の08年の資産総額は147億円余りであり、都築関東学園の08年の資産総額166億円余りとの合計は約314億円。これが10年3月には▲233億円超となるのだから、08年から10年にかけて547億円の損失が発生した計算になる。学校法人としては極めて異例のことではないだろうか。

 同学園グループの財務内容を推し量る上で興味深い数値がある。消費支出のなかの借入金等利息の金額である。都築学園の10年3月決算での借入金等利息は12億5,982万円、都築教育学園は5,055万円、都築育英学園は1億7,411万円で主要3法人の合計は14億8,449万円に及ぶ。借入金の総額は不明だが、約15億円の借入金等利息から想像するだけでも、巨額であることは間違いない。概算だが年利1.5%と考えれば1,000億円という計算になる。学校法人には実質的に無借金の法人も多い。とくに大学を中心とする学校法人の借入依存度はもともと低く、近年は依存度がさらに下がる傾向にある。そうしたなかで同学園の依存度の高さは際立っている。

 借入金等利息比率という指標がある。これは帰属収入に対する借入金等利息の比率だ。企業会計に当てはめると売上高に対する支払金利の比率である。主要3法人の10年3月の帰属収入は、都築学園が119億5,143万円、都築教育学園が29億5,329万円、都築育英学園が77億6,344万円であり合計は226億6,818万円。これに対する借入金等利息14億8,449万円の比率は6.55%となる。少し古いデータだが、学校法人の平均的な借入金等利息比率は1990年代後半で0.7%台だったものが2004年には0.46%に低下しているとされている。それらとの比較でも、同学園グループの借入金の過大さがわかるだろう。

(つづく)

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