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検証・新日鉄と住金の合併 北九州経済に与える影響は?(18)~小倉興産」売却後の苦悩(1)
発信!北九州
2011年7月29日 07:00

 和気耐火工業の自己破産から1年後、住友金属工業は小倉興産を売却することになる。同社が上場企業であるため株式公開買付を実施。応募したのはファンドの投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズ エム・ビー・アイファンド二号(以下アドバン社と表示)。
 2003年(平成15年)3月、アドバン社の100%子会社である(株)ケイ・ピー・ホールディングは、株式公開買付(TOB)を通して当時の親会社・住友金属工業を始めとする株主から発行済み株式の95.8%を獲得して筆頭株主になった。買収額は約67億円。

住友金属工業(大阪本社)が入る住友ビル 住友金属工業は、友好的なTOBにより小倉興産をアドバン社に譲渡し、手を引くことになった。小倉興産は上場廃止になったが、アドバン社は小倉興産の事業を再構築し、東証二部に上場させて上場益を得るのが目的だったと言われている。住友金属工業もファンドへの売却に一抹の不安を感じたかもしれないが、再上場を信じてTOBに応じたものと思われる。
 しかし結果は、住友金属工業の思いとは裏腹に、小倉興産は再上場を果たすことなく別のファンドに転売されることになった。住友金属工業とって汚点を残す子会社の売却となった。

(つづく)

【北山 譲】

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