<市民の訴え「MOX燃料は危ない」>
私が県議に出馬依頼を受けたのはこれまで大きく3回あった。ひとつは衆議院、参議院民主党公認候補者選考の時、松本代表(当時)、江島北九州市議(当時)から。もうひとつは、先の筑紫野市長選出馬辞退を条件に、今春の県議選転向、全面支援の打診。そして今ひとつは「無投票はいかん!浜武さんの体を市民のため是非とも貸して欲しい」という市民の声なき声だ。
県議選は政党色が強く、民主党から除籍され、自民党公職者から「浜武君が次(三期)当選したら自分が推薦人になってやるよ」と云うも、「(議会構成で)いいように使われた」(当時の執行部)挙げ句、平気で反古にされる扱いを受けた私にとって、最も縁の遠い選挙、可能性が厳しい選挙である。
しかし、福岡県の将来を担う子どもたちを育てる教員の多くが単年契約(非常勤)であること。他県に比して余りにも福祉施策が遅れていること。警察組織が戦後期のままの配置であること。そして、玄海原発で今、起きていることを知ってしまったことなどなど。「政治家が損得勘定で行動するから今の仕組ができ上がった」ということへの打破を標榜する私にとって、無理からぬ県議選への突入はまさに自然体の選択だった。
ある市民の方が私に訴えてきた。「玄海原発3号機は定期点検を繰り上げた。何故なら、燃料棒にかすかなピンホールができた。これは、想定された燃料棒の消費ではない。浜武さん危ないんです。なぜなら、3号機はプルサーマルで、MOX燃料でプルトニュームを使っているのですよ。何とか県政で訴えてください!」。
私が持つ核物理の知識で解釈すると、玄海3号機はプルサーマル発電といい、全国各地の原子炉でできた使用済み燃料棒(中古燃料)を新しいウランと交ぜ、再精製して使用できる最新鋭の釜である。高額な費用をかけて処理していたゴミをもう1回燃やせる釜なのだから、こんなにお徳なものはない(予定どおり動けばの話だが)。
しかし、使用済みの中古品と新品を交ぜるのは大変な技術が必要で 、燃料が異常燃焼を起こしてしまったのか、燃料棒の"想定外"の消費がされてしまった。だから、早めに停止して点検を行なった、となるのであろう。この知見が正しいか否か、九電への問い合わせを行なうことにした。
【浜武 しんいち】
<プロフィール>
浜武 しんいち (はまたけ しんいち)
1965年10月23日、東京都大田区生まれ。74年、筑紫野市へ転居。84年、東福岡高校卒し、フリーデザイナーとなる。95年、久留米大学法学部を卒業後、政治家を志す。97年、筑紫野市議 落選(次点・626票)。99年、新党さきがけ福岡県支部筑紫野連絡所所長就任。2001年、筑紫野市議 初当選(1,200票)。03年、民主党福岡5区総支部常任幹事および同組織委員長に就任。05年、筑紫野市議 2選(1,581票)。07年2月、民主党福岡県連より除籍。同年4月、衆院福岡2区補選 落選(2,857票)。09年、筑紫野市議 3選(1,328票)。11年1月、筑紫野市長選挙に出馬、3,765票で落選する。
なお、政治活動のほか、理数専門塾(株式会社 FCS数学教室)の主宰、番組制作会社の主幹も務めている。
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