九州電力の眞部利應社長は「やらせメール」問題に関する7月20日の衆院予算委員会で、「個人的な思いは決まっている」と述べ、公の場で引責辞任する意向を事実上表明した。退任の時期については27日(水)に開催される取締役会で話し合われると言う。
九州電力のような大企業では、本当に組織を動かしているのは松尾新吾会長であり、歴代の会長経験者である。
九州電力の会長は、九州財界のドンである九州経済連合会の会長職を歴代続けている。初代会長の安川第五郎氏、二代会長の瓦林潔氏、三代会長永倉三郎氏、四代会長河合辰雄氏、五代会長大野茂氏、六代会長鎌田迪貞氏。
現七代会長は松尾新吾九州電力代表取締役会長である。つまり眞部社長が辞任しても、社内の首のすげ替えであって、九州財界のドンとして松尾会長は居残ることができる。
九州電力が九州・山口に張り巡らした影響力は絶大なものがある。一例をあげると山口フィナンシャルグループの非常勤取締役に、九州電力社長・会長を歴任した鎌田迪貞相談役が就任している。
「やらせメール」問題を引き起こした九州電力の体質は歴代のトップが負うものである。
眞部社長だけの辞任に止まらず、松尾会長も九電のみならず九経連の会長職も辞任しなければ、本当に襟を正したとは言えないだろう。