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チャイナビジネス最前線

北京、上海の時代はもう終わった!(前)~ジェトロ「華南経済セミナー」
チャイナビジネス最前線
2011年7月 6日 15:18

 中国南部の生産拠点として名高い華南地域、ココがいま巨大な消費市場として注目を集めている。6月30日、福岡市の中小企業基盤整備機構九州支部セミナー室において、ジェトロ主催の「華南経済セミナー」が開催された。中国でいま最もHOTな地域の現地駐在員によるこのセミナー、60社を超える企業が参加して行なわれた。このセミナーの模様をわかりやすく解説を交えてレポートする。

<巨大な消費市場となった華南地域>

華南地域 華南地域のなかでもとりわけHOTな地域が、中国第3の都市「広州市」と第4の都市「深圳市」を擁する広東省「珠江デルタ地帯」といわれるエリア。
 9つの都市で構成されるこのエリアの人口は約5,000万人、広東省全体の3割の面積でGDPは全体の8割にも及ぶという。自動車産業などの生産拠点、海外貿易の集積地として高度成長を遂げてきたこの地域は、そこに暮らす人々の所得も高まり、今では巨大な消費市場として大きく変貌してきたようだ。公共投資も旺盛で、2011年8月には広州―深圳間の高速鉄道が開通の予定、その後香港まで延長されるという。

華南地域の消費市場について講演するジェトロ広州事務所副所長 池辺 亮 氏 ジェトロ広州の池辺副所長は「日本企業が中国市場に進出しようとする場合、北京や上海は過当競争の結果、淘汰の時代となっているが、華南地域はサービス産業を中心にさらに伸びていくだろう」。さらに、「多くの産業が集まっている地域でもあるので賃金の上昇とともに高度化、高付加価値化の機運が高まってきており、省力化へ向けた日本企業の見せ場の時代がやってきたのではないか」という。

<中国第3の都市、広州市>

 都市人口1,033万人、古くから交易の街として栄えてきたこの街の人々は中国で最も一人当たり消費支出が高い。可処分所得の83%(上海市73%)を消費に回すという。「宵越しの金は持たない」という裕福で消費欲の旺盛な都市なのだ。また、「食は広州にあり」の言葉どおり、一人当たりの外食費も中国トップ、外食産業は前年比17%以上も伸びてきたという。外食の多様化が進んできており「日本の企業も広州で展開すれば多店舗展開も可能となるのではないか」と池辺氏はいう。

(つづく)

【杉本 尚丈】

| (中) ≫


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