<郊外に広がりをみせる消費>
華南地域の中心地である広州、深圳などはその消費地が次第に郊外に延長しているという。日本から進出した「ジャスコ」も今後、日本と同じような郊外型のショッピングモールの建設を進めていくようだ。
自動車の生産拠点として「名高い珠江デルタ地帯」を有する広東省は自動車普及率も高い。2009年の100世帯当たりの自動車保有台数は全国平均が11台であるのに対し、広東省では23台と全国平均の2倍以上なのだ。深圳に至っては100世帯当たり33台と、3世帯に1台保有しており、上海の2.3倍になっている。そのため「休日に車で出かけて、郊外でお買物」というライフスタイルが拡大しつつあるという。となりの人が車を持っていれば欲しくなるのが人間の常、消費意欲旺盛な広東の人々は耐久消費財の普及率も総じて全国平均を上回っている。
<華南地域は自社製品の腕試し>
華南地域を代表する広東省の特色は「輸出産業の一大集積地」としての生産拠点のみならず、中国流通の「集散地」としての側面がクローズアップされてきた。「集散地」とは全国・全世界からの物資が集積し、拡散(流通)していくいわゆる交易都市なのだ。なかでも広州は集散地の一大集積地といわれ、一年中街中が交易会なのだ。また、香港に近いこともあり、華南の市場はトレンドに敏感な若者の多い地域でもある。中国アジア市場への進出を図ろうとするとき、自社製品の試金石として、華南地域の扉を叩くことも重要なのかもしれない。
<国際中小企業博覧会―ジェトロ日本パビリオン>
来たる9月22日から25日までの4日間、広州において「第8回国際中小企業博覧会」が開催される。4日間で延べ41万人が来場するという大規模なイベントだ。ジェトロでは「日本パビリオン」として、中国市場開拓を目的とした日本企業のために48ブースを設け、参加社を募集している。中国市場開拓を志す企業にとってはまたとない機会だろう。
詳しくは、ジェトロ広州事務所(TEL:020-87520060 E-mail:PCG@jetro.go.jp)まで。
【杉本 尚丈】
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