<入会検査は「医療行為」>
設立5年目にして会員数は1,300名を超え、1日の利用者は400名前後。90台収容の駐車場は、オープン1時間後には早々に埋まってしまう盛況ぶりだ。夕方になれば、利用者層は主婦や高齢者から働き盛りの中高年にシフトしていく。スタッフが駐車場の整理に駆り出されるほどの猛烈な忙しさとなり、屋内には心地よい汗を流す人達で溢れかえる光景が日々繰り返されている。
印象的なのは、黙々と運動する人が多い大手スポーツクラブの場合と異なり、会員相互の交流が多いように感じられたこと。スタッフを中心に一種のコミュニティが形成されており、これも定着率の高さにつながっているようだ。
<省エネなどでも高評価>
このように、医療とスポーツを本格的に融合・調和させたスポーツクラブとして高い評価を得ている同社であるが、実は、省エネや人材育成といった多様な取り組みでも高い注目を浴びている。
同社の加藤専務によると、「省エネに取り組むきっかけは、開業2年目頃から会員数の増加が伸び悩んだ」ことにあったという。リフレが位置する北九州市若松区二島は比較的古い町並みで、周辺人口も多いとはいえない地区である。チラシをうっても多くの集客が見込めないため、加藤氏は経費の圧縮によってクラブ経営をサポートする道を選択したのだそうだ。それからは創意工夫の連続であったという。電気料金を削るべく「デマンド監視」の手法によって使用量の「見える化」を実施したり、温水プールやボイラーの廃熱利用などにも取り組んだ。井戸水の活用や雨水の利用まで思いつく限りの経費圧縮策を試し、集積されたノウハウの一部は第三者によって商品化されるものまで出るほどの力の入れようであった。しかも、そのすべてが業者任せではなく、率先して自らが取り組んだものであるというから驚きだ。面白いもので、これらの取り組みが各メディアで取り上げられるなかでリフレの名声は高まり、会員数も再度増加に転じていった。
人材育成にしても息の長い取り組みを続け、地元の大学からスポーツ専攻の学生を定期的に受け入れている。理論と実践を兼ね備えた学生が、将来この業界を良い方向に導いてくれるはずとの想いがそこにはある。
かかる成功を受け、現在、同社は来年の新店開設に向けて着々と準備を進めている。医療とスポーツの融合と調和はもちろんのこと、これまで培ってきた省エネ技術を設計段階から導入することで、従来よりもエネルギー効率に優れた施設となることが予想される。新庄氏と加藤氏の6年越しの思いが、宗像市赤間の地で実を結ぼうとしているのだ。また、以降は数年に1店舗のペースで出店し、徐々に福岡方面へ店舗を展開していく意向も示されている。地域密着で医療とスポーツの融合と調和を実践し成功を収めた同クラブが、今後、福岡都市圏でも台風の目となり得るのか。赤間への出店はこの試金石ともなるもので、業界関係者からは熱い視線が注がれている。
【田口 芳州】
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COMPANY INFORMATION
快適倶楽部リフレ
((株)メディカルスポーツライフ研究所)
代 表:新庄 信英
所在地:北九州市若松区二島2-2-24
設 立:2005年8月
資本金:1,000万円
URL:http://www.re-fre.jp/
TEL:093-791-3370
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