19日、福岡市の福岡県中小企業振興センターにおいて、九州経済産業局主催の「九州環境ビジネス業界説明会」が開催された。この説明会は、今後、環境ビジネスの拡大が見込まれるアジア中国市場を踏まえ、日本の環境関連企業の担当者が、在日留学生や研究者などの国際人材に「生の環境ビジネス」を伝えるために、産学官連携の一環として開催された。同会場では、とりわけ熱心に企業の説明を聞いている"凛々しいステキな娘たち"を発見、話を聞いてみた。
彼女たち3人組は今年(2011年)4月、中国から日本に来たばかりで、現在、長崎大学で学んでいるという。日本に来てまだ数カ月、まだ初々しさの残る顔立ちのこの留学生たち、日本人が聞いてもよくわからない環境技術の説明に真剣に耳を傾け、時には企業の担当者にたどたどしい日本語ながら質問を投げかけていた。
「私たちの大事な勉強の場を邪魔しないで!」と言いたげな彼女たちの真剣なまなざしに圧倒され、隣にいた彼女たちを引率してきたという長崎大学の勝呂綸貴子先生に話を聞いた。「長崎大学では日中韓の大学間連携による水環境技術者育成事業に取り組んでいます。産学官連携の拡大コンソーシアムとして始まったこのプロジェクト、今年は中国から8名、韓国から3名、計11名の留学生を受け入れています。彼らは2年間のプログラムで日本語と日本の環境技術を学び、将来は環境技術者として日本とアジアを結ぶ環境面での牽引役となるでしょう」という。
彼女たちは自国の環境問題に興味と不安を抱き、環境先進国である日本の環境技術を学ぼうと志高く、故郷を代表して日本に来た選抜メンバーだったのだ。さきに、中国政府が発表した「第12次5カ年計画」(11年~15年)では環境分野に関して、水質保全や大気・土壌汚染の予防と対策、環境モニタリングシステムの構築など8つの指標が明示されている。これは、これまで以上に環境問題への取組みを強化する中国政府の姿勢が示されたものであろう。
近い将来、日本で学んだこの留学生たちがアジア各国の橋渡し役となって、アジア全体で環境問題を共有できる日が来ることを願っている。
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本稿に登場した凛々しいステキな娘たちメンバーのブログ
【杉本 尚丈】
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