講談界のニューヒロイン、神田蘭さんがテレビ番組の撮影のために、福岡を訪れた。大陸文化と関係が深い、話芸への想いについて語っていただいた。
神田蘭さんは、福岡市出身の人気講談師・神田紅さんの弟子で、現在二つ目。今は事務所に所属することなく、フリーという立場で、月に20本以上の講談を行なっている。
「以前こういうことがあったのよ」
「私が公演していると、自慢じゃないけど、笑えるところはみんな一斉に笑ってくれるのよね。でも、その日はある一角だけどうしても笑ってくれないの。私も意地になって、変顔してみたら、そのときだけクスクスと笑うのよ」
「変だなーと思いながら、時々視線を向けると、隣の人と耳打ちしてお互いうなずいているの。あとで聞いたのだけど、なんとその一角は中国人観光客の人たちだったらしいのね」
神田さんは、「講談は日本の芸だが、話芸のルーツは大陸から来ているので、そのルーツを探るべく、いま韓国の文化やアジアの情報を取り入れて勉強している」と話す。「世界の人たちにぜひ日本の講談を知ってもらいたい。日本の文化だもの。」と神田さんはいう。
私生活で今ハマっているのは、韓国ドラマで、韓国語も勉強中だとか。韓国ドラマを講談風に紹介するテレビ番組にも関わったことがあるという。
福岡は師匠である紅さんの出身地であり、さらに、神田さんが尊敬している芸人のひとりで、「オッペケペー節」で一世を風靡した川上音二郎の出身地でもある。神田さんは「今回、久しぶりに福岡に来られたので、何か新しく芸を磨くきっかけを持って帰られたら」と話している。
【杉本 尚丈】
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