2011年7月6日、宮崎県木城町で揚水式の小丸川水力発電所2号機が営業運転を開始した。夏場の電力需要時には4基がフル稼働で対応するとしている。4基あわせて120万キロワット、玄海原子力発電の1、2号機を合わせた電気出力112万キロワットを超える発電量である。これで08年3月に九電が発表している水力発電の総出力267万キロワットに、当時稼働していなかった小丸川1~3号機をあわせた数字は357万キロワットとなる。ただし、実際には定時点検などで稼動を停止している発電所もあり、一概にはそうなると言えない。
福岡地区のなかで一番大きい出力を有する水力発電所が那珂川町の南畑発電所である。160キロワットの出力を持つこの水力発電所は1911年(明治44年)10月に運転を開始した。南畑ダムの水源を利用し、明治時代から電気を供給してきた。外観はレンガ造りで、道路をまたいで導かれる水路から水車を回し続けている。現在の水力発電は外部からのリモートコントロールされていることが多く、南畑発電所には人の気配はない。那珂川に沿って下流に向かうと、至るところに大小の堰が見られた、これからこのような堰を利用して水力発電が行なわれる可能性もあるだろう。
九州管内にはもうダムを建設する場所が無くなったという。つまり今後は、河川の緩やかな流れも電力に変えていくことも視野に入れる必要があるだろう。
【道山 憲一】
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