東日本大震災の被災地における発言問題で復興担当大臣の職を辞した松本龍氏。既報の通り、松本氏は、九州大学病院で気分障害における軽度の躁状態と診断され、現在、検査・治療にあたっている。同病院医師は、躁状態におかれた人は、自分の思ってもいない言動を度々とることがあると説明。しかし、問題の発言に至るまでの背景(旧知であった宮城県知事との関係など)を知らない被災者にとってみれば、著しく心情を害するものであったことは否めない。
この発言問題に関して、松本氏の支援団体である部落解放同盟福岡県連合会からも苦言が呈された。同団体は、「松本龍・前復興大臣の一連の言動について(見解)」という文書を発表。「体調が回復し、言葉が交わせる条件が整った時点で、指摘をし、猛省を促す」と結び、お詫びをしている。
「猛省を促す」としているのは、発言問題について松本氏が「九州人だから語気が荒い」「B型だから短絡的」と述べた内容。同団体は、事象の一部をとらえて全体を決めつける「ステレオタイプ」のものの見方として、予断と偏見につながると指摘。「これまでの運動のなかで厳に戒めてきたこと」と重ねている。
一方、被災地における宮城県知事などへの発言問題については、「松本龍代議士の人となりを知る人たちにとってはまるで別人と思えるような発言に、私ども自身も驚きました」と説明。ただし、「配慮にかけた一連の言動」として、「関係者の期待を裏切ることになった」としている。
松本氏の祖父は、日本最大の被差別部落団体「部落解放同盟(旧部落解放全国委員会)」の委員長を結成以来務めた「部落解放の父」と呼ばれる松本治一郎氏。松本氏は同同盟の副委員長、県連委員長などを歴任した。
【行政取材班】
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