NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ

会社情報

社会

すべてが『やらせ』? 原発再開問題で明らかになる恐怖の真実
社会
2011年8月 2日 09:30

玄海原子力発電所 7月30日、緊急会見を開いた古川康佐賀県知事は、九州電力(以下、九電)の「やらせメール」問題の発端になったとも思われる事実を明らかにした。同知事は、6月26日に行なわれた経済産業省主催の原発説明番組に先立つ同月21日、九電の副社長以下3名と面談。その際、古川知事は、九電側3名に「電力の安定供給の面から再稼動を容認する意見も経済界にはあると聞く。だが、なかなか表に出てこない。そういう声もあるならこのような機会を利用して、その声を出していくことも必要ではないか」(九電発表より引用)などと話したという。
 これに関連して、一部の報道では、古川知事と九電の浅からぬ関係が大きく報じられた。内容は、2003年、07年、11年の佐賀県知事選で、九電社員が古川知事の選挙戦を支援したというものである。

 これとは別に、調査報道サイト「HUNTER」は、古川知事の実父が九電社員で、玄海原発の啓発施設「玄海エネルギーパーク」の館長であったこと。九電幹部から政治献金を受けていたこと。さらに11年の知事選における選挙公約(マニフェスト)の重要項目「SAGA HIMAT(最先端がん治療施設)」に関して、佐賀国際重粒子線がん治療財団へ、九電が39億7,000万円の寄附を行なっていたことなどを7月12日に報じていた
 一方、玄海原発の2、3号機の再稼動について発言力を持つ同原発立地自治体の佐賀県玄海町では、岸本英雄町長と、その実弟が経営する岸本組の間で、同社受注の公共工事の建設に支払われる、いわゆる『原発マネー(電源3法による国からの交付金)』が循環するカラクリが明らかにされている。

 古川知事、岸本町長、そして九電が『原発』を中心に、決して浅からぬ関係にあることは誰の目に見ても明らかな事実となった。ただし、注意を払うべきは、こうした構図が佐賀県だけの"特例"ではないという可能性である。
 九電と政治の密接な関係を示す最たるものは、2011年4月の福岡県知事選である。当選した経済産業省OBの小川洋氏陣営には、九電会長の松尾新吾氏が、選挙対策本部長と後援会長を務め、強力にバックアップした。関わり具合から言えば、社員が選挙を手伝ったというレベルを遥かに超えている。

 地域住民の代表者・リーダーである首長が、公益性が高い企業と深い関わり合いを持つことに問題はないのか。意思決定に至る過程が、住民を納得させるための筋書き通りに進行していたとすれば、「すべてがやらせ」というほかはない。
 福島第一原発事故から始まった全国各地の原発再開問題は、供給電力の経済活動への影響から事故発生後の放射能汚染まで、国民に多大なリスクを背負わせるエネルギー政策に関して、"操作されている可能性"が極めて高いという"恐ろしい現実"を浮かびあがらせているのではなかろうか。

【山下 康太】


※記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


社会一覧
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月25日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月24日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月23日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月22日 16:42
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年11月21日 15:20
イベント情報
2012年11月19日 14:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル