<北九州銀行の誕生までの経緯<12>>
銀行などの金融機関による北九州市の法人・個人向けの貸出金残高は、約3兆1,000億円前後で、その残高は10年前からほとんど変わっていないと言われており、九州・沖縄の貸出金総額の約1割を占めている。
そのため西日本シティ銀行・福岡銀行・山口銀行による「三つ巴の貸出競争」や「肩代われたら金利ダンピングでやり返す」の肩代わり競争が繰り広げられた結果、最近では法人・個人向け貸出金利は平均2%を切り、名古屋金利に次いで全国的にも低い貸出金利となっている。
データ・マックスが昨年調査した結果によると「北九州銀行の誕生で、銀行間の貸出競争により借りやすくなる」との回答が寄せられたが、「メイン銀行を変えるつもりはない」との回答も多数を占めた。
山口県内で集めた預金を武器に、低金利で北九州に融資攻勢を掛けてきた山口銀行であったが、「北九州銀行」は自前の預金で貸出をしなくてはならなくなり、「従来のような低金利の融資はできなくなるのでは」(銀行関係者)との声も聞こえる。
【北山 譲】
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