中洲通いも日常化すると、何かと不健康のレッテルを貼られることが増えてくる。「太く短く生きるのが信条」と、かっこつけて言いたいところではあるが、「死ぬときはなるべく苦しまずに死にたい」が本望である小生にとって、医者に行くたびに『イエローカード』を突きつけられると、さすがに「"中洲退場"も近いのでは?」と、不安を覚える。
そんな背景もあって、今回の特捜テーマに至ったわけである。
ある夜、小生に付いた女の子の耳が、やたらとキラキラしているのが目に付いた。耳のなかにピアスと思わしき光輝く粒が5、6カ所あるのだ。それも耳の穴の付近にまである。多少、話のネタがつきていたこともあり、「それはなに?」と、聞いてみると、『耳ツボシール』という答えが返ってきた。
若さと美貌を売りにしている彼女たちにとっては、露出・発覚が大きなイメージダウンを意味する代物とは違い、前述した通り、見た目はアクセサリーだ。では、一体どこで入手できるのか。聞き取り調査を行なっていくと、あるひとりの『耳ツボ・セラピスト』なる存在が浮かびあがってきた。
中洲でも知る人ぞ知る『耳ツボ・セラピー』を行なっているのは、耳ツボ リラクゼーションサロン「癒やし屋 KiKi」。同サロンで耳ツボ・セラピストの指導者の資格を持つ礒嶋聖子さんに話を聞いた。場所が中洲にほど近いということもあり、やはり、中洲の女の子のお客さんは少なくはなく、そのほかはモデルさんがメイン。最近では、口コミで男女問わず、お年寄りの利用も増えてきたという。
さて、気になる耳ツボ・セラピー、ただの"はやり"という代物ではなかった。4千年の歴史を持つ東洋医学をベースにしたもので、それこそ昔は針灸師が、針を使って刺激していたという。そもそも耳ツボには110カ所のツボがあり、頭からつま先、内臓まで、人体の全身を網羅している。現在、WHO(世界保健機関)が認定している人体のツボの総数は365カ所。つまり、約3分の1が耳に集中していることになる。さらに興味深いことにその配列は「胎児が耳たぶのほうを頭にしてまるまっているイメージ」(礒嶋さん)だという。
さっそく体験してみたが、ありとあらゆるツボを刺激するたびに大なり小なりの悲鳴をあげてしまった。「ここは悪いですね。ここも、ここも...」という感じで、おそらくすべての悪いところのツボにシールを貼ったら、耳が"岩ガキ"のようにゴツゴツとなってしまったことだろう。初回はお試し(1,800円で耳ツボシール2個×2)ということで、日頃から気になっている肩コリと、日頃から迷惑をかけている肝臓のツボに貼ってもらった。見た目はおしゃれだが、貼った理由はおしゃれではない。ちなみに、耳ツボ・セラピーの資格講座もあるとのことなので、マスターすればシールを貼っている女の子の悩みがまる分かりになるかも...。
<SHOP INFORMATION>
「癒やし屋 KiKi」
所在地:福岡市博多区住吉2-19-20カーサ第二博多102
営 業:10:00~20:00(定休日:不定)
※ご予約・お問い合せは、HPまたはブログで。
URL:http://kagayaku21.com/iyashiya-kiki/
ブログ:http://ameblo.jp/iyasiya-kiki/
長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。
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