自然エネルギーを利用した水力発電は古くから活用されてきた。しかも、福島第1原子力発電の事故にみられる放射性物質の脅威に悩まされることがない。まさに安心・安全なエネルギーと言える。
しかし、水力発電にもデメリットはある。まずは、自然エネルギーだけあって、自然に左右されやすい。過去、民間で水力発電を使って工場に電力を供給していた担当者は「とにかく、真夏の渇水時などダムの水の量が減った場合、水車を廻す水量が減り、そして発電量が減ります。そうなると、九電から電気を買うことになりますので、コスト増となるわけです。渇水の時は雨乞いしていましたよ」とコメント。またダムをつくり、川をせき止めることによって本来の自然体系を崩してしまうことも否めない。沿岸部に近い火力発電所と違って、山奥から送電線を通じて電力を供給するロスも見逃せない。加えて、近年ではダム不要論が高まり、八ッ場ダム(群馬県)建設が政権交代の影響で一時停止したことや、川辺川ダム(熊本県)は地元の賛否が大きくわかれ、着工に至っていないことは記憶に新しい。
このように、水力発電は大型発電である火力発電や原子力発電みたいに年間を通して電力の安定供給ができないというデメリットもあるのだ。
*記事へのご意見はこちら