17日、国土交通省航空局は、日本航空(株)のコックピットでパイロットが席を離れて写真撮影をしていた件に関して、同日、同社に対する厳重注意を行なうとともに、当該パイロットに対する行政処分を行なったと発表した。
同発表によると、2009年、香港発成田行きの日本航空貨物便コックピット内で、機長が席を離れ、副操縦士を機長席に座らせ、振り向いたところを、機長が同席の斜め右後ろから写真撮影した。同省航空局は、この件は安全運航のため定められた席で職務を遂行すべきとする運航規定(※)に抵触するだけでなく、航空法で定められた他の航空機などの見張り義務を果たしていないとして、同社に対し文書で厳重注意を行ない31日までに再発防止策を報告させるとともに、機長に対し45日間の、副操縦士に対し20日間の航空業務停止の行政処分を行なうとしている。
航空機の運航に際しては、管制官のレーダーによる監視、機体に装備されている衝突防止システムや自動操縦装置などがあり、パイロットが少し目を離してもすぐに事故になる可能性は低いかもしれない。しかし、航空機の場合、事故が発生した際には大事故になる可能性が高いため何重もの安全確保策がとられており、重責を担うパイロットには安全確保のため航空法や運航規定を厳守することが求められる。
※運航規定とは、航空法に基づき本邦航空運送事業者がその事業内容などに応じて運航の安全を確保するため、運航管理の実施方法、航空機乗組員などの職務、乗務割、航空機の運用の方法などを定めるもので、国土交通大臣が認可する。