明太子の発祥の地については、下関説や博多説など諸説ある。実際、現在も下関、北九州、博多、福岡エリアで明太子業者がひしめいている。明太子の原材料である、たらこの全国売上金額を見ても北九州市、福岡市での売上が全国平均と比べてもずば抜けて高いことから、明太子の歴史のなかで大きな影響があったと考えられる。

　（株）ふくやは、特に福岡エリアでの明太子業界発展に大きな影響を与えた１社である。（株）ふくやの創業者である、川原俊夫氏は1948年に漬け込む「調味液型明太子」を開発し、その秘伝ともいうべきレシピを、特許も取らず、求められれば積極的に公開・指導した。指導してもらい、独立した業者のなかでは、ふくやの川原氏に恩義を感じている人も多い。
　川原氏の活動が市場の裾野を広げたことにより、今日における明太子業界の発展につながっていることは、間違いないであろう。

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