政府は2日、先般行なわれた女子サッカーW杯ドイツ大会で初優勝した『なでしこジャパン』に国民栄誉賞を授与することを発表した。1977年にホームランの世界記録を塗り替えた王貞治氏が受賞して以来、19例目の受賞となる。団体での受賞は今回が初めて。
彼女たちの活躍をとやかく言うつもりは毛頭なく、とくに東日本大震災後のわが国に与えた良い意味での影響は計り知れない。しかし、ここで敢えて問いたいのは国民栄誉賞を受賞する基準であり、しばしば言われてきたことではあるが、国民栄誉賞と政治の関係性である。
そもそも、同賞は「この表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする」(国民栄誉賞表彰規程)として77年8月に創設された。下記の受賞者リストの通り、受賞者はスポーツ選手や文化人など多大な功績を残した人たちであるが、やはりその基準が曖昧に思われる。うがった見方をすれば、政権の求心力が低下した際の「切り札」とも思える。
【新田 祐介】
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