統合幕僚監部は1日、7月30日、中国のY-8情報収集機型1機が東シナ海を飛行したことを発表。航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させて対応したとしているが、同機の飛行は頻発しており、今後も電子情報収集のため定期的に飛行することが予想される。
発表された写真によると、中国機Y-8の垂直尾翼に記載された機番は3月2日、7月4日、7日に東シナ海を飛行したY-8と同じ9351。この機体は、機種下部と機体後方上部にある半球状のレドーム内にあると思われる大型アンテナ、そのほか機体のあらゆる部分に取り付けられている小型アンテナにより、レーダーや音声通信などの電子情報を収集しているものとみられる。
同機は、日中中間線付近を北緯27度付近から北緯31度付近まで飛行。その飛行パターンは7月の4日、7日の航跡と非常によく似ており、沖縄から九州西部の自衛隊や米軍の電子情報を収集したのではないだろうか。一般的に、収集した電子情報は分析され、電子妨害や電子防御を行なう機材に設定されるとともに戦術分析に役立てられる。電子機器の高度化にともなって、電子情報は複雑化しており、定期的な情報の収集と高度な分析がなければ、電子機器への妨害や同機器からの防御の効果は低くなる。そのため、今後も同機が同空域へ定期的に飛来する可能性は高い。
【吉澤 英朗】
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