8月の平日昼下がり、電池を買いに福岡市内の某家電量販店へ。用を済ませた後、購入を検討しているパソコンソフト、デジタルカメラ、ビデオカメラの各コーナーを見て回ることにした。蒸し暑い外に比べて、クーラーがよく効いた店内は親子連れや、旅行客らしき人々が多くおり、お目当ての商品の前で購入の算段をしていた。
カメラコーナーに行くと、客と店員が中国語で商談していた。横目で見ながら別のコーナーに行くと、また中国語の商談が―。気になったので耳を澄ませたところ、中国語しか聞こえない状況であった。
店員によると、「きょうは、中国人の団体様で100名と60名の2組が来られています。震災後、客足が鈍かったのですが、ここ数日かなりの中国のかたが当店にお越し頂いています」「お土産に日本のメーカーの家電を買い求めておられます。まとめ買いが多いですね」という。
日本の家電製品に対する中国人の評価は高く、とくに炊飯器が土産として喜ばれるとも聞く。実際に、家電量販店側の中国人観光客への期待も大きく、前述したように、中国語による接客にも力を入れていた。東日本大震災や福島第1原発事故の影響で減少した中国人観光客が戻ってくれることを願う声は大きいようだ。
【道山 憲一】
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