東日本大震災の被災地支援として、業務用炊飯器など食品プラント開発メーカーのパーキテック(株)(本社:広島市東区、吉田哲夫社長)が中心となって推進する「女川町厨房プロジェクト」は、7月28日の朝食から同町避難所の800人分の給食を開始した。同プロジェクトは避難所の食事を改善するのみならず、雇用を生み出すとともに主要産業である漁業の復興に貢献する「新しい震災復興のあり方」として注目を集めている。
同プロジェクトが始まる前、女川町避難所の食事は、朝食はおにぎり2個または菓子パン、昼食は弁当、夕食は自衛隊炊飯の白飯とファミリーレストランから出前したおかずであった。同プロジェクトの厨房で給食された7月28日朝食のメニューは、白飯、牛乳、ホタテと野菜の中華炒め、わかめサラダ、ミニトマト、オレンジなど。吉田社長によると、避難所の皆さんは、あたたかいご飯の朝食に大喜びであったという。しかし、調理者が不足していることと調理器材への習熟が必要であるため、当初は朝食のすべてと夕食の白飯の炊飯のみを同プロジェクトの厨房で給食している。今後、調理者が雇用され、調理者が調理器材に習熟するにしたがって全食を同厨房が担当するようになるという。
女川町厨房プロジェクトの特長は、津波で店舗を失った女川麺飯飲食組合の組合員に町が給食業務を委嘱することにより雇用が生まれ、魚料理の食材を現地から調達することで、女川町の地場産業である漁業の活性化に貢献することである。
吉田社長は、「東日本大震災のように避難所生活が長期化する場合、直接食品を送って支援するやり方だけでなく、食品をつくる設備を支援することが重要である。このプロジェクトは雇用創出や産業活性化などの被災地域の復興に貢献できる新しい震災復興のあり方の一例となるのではないだろうか」と語る。
【吉澤 英朗】
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パーキテック(株)
代 表:吉田 哲夫
所在地:広島市東区戸坂千足2-10-17
TEL:082-567-2211
FAX:082-567-2200
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女川町厨房プロジェクト"食の改善への取組で地域復興を~パーキテック(株)
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