<ジュニアの育成と礼儀作法の教育>
「この『OSゴルフ理論』をもっと取り入れてほしいのは、将来のゴルフ界を担うジュニアたち」と篠塚氏は言う。「伸び盛りの子どもたちだからこそ、負担の少ないOSゴルフ理論を取り入れることで、長くゴルフを楽しんでもらいたい」(篠塚氏)。たしかに、体のねじれが少ないこの指導方法は、ジュニアゴルファーにとっても負荷が少ない練習方法だと言える。
このレッスンをジュニア時代から受けてきたのが、福岡在住の高校生ゴルファー時松源蔵選手である。彼は、このレッスンを受けてからメキメキと上達し、九州地区のアマチュア選手競技を総ナメにしてきた。今年開催されたキャロウェイゴルフ『世界ジュニアゴルフ選手権』でも、3位の成績を残している。さらに、今年初めにはプロゴルファーの石川遼選手から、「ゴルフセンスがいい。とくにパットはすばらしい」と絶賛されたほどである。
現在、篠塚氏は「筑紫ヶ丘ゴルフクラブ(福岡県那珂川町)」で、約60名のジュニアゴルファーの育成も行なっている。室内練習場には独自の練習道具が置かれ、個々の成長に合わせたレッスンが行なわれている。実際にジュニアたちの練習風景を見学させてもらったが、真剣で集中しながらも、楽しそうな練習風景が印象的だった。とくに肌で感じたのは、練習を行なっているジュニアが、皆礼儀正しいことだった。挨拶などの面において、礼儀作法が徹底されている。前述した時松源蔵選手が競技会で優勝した際にも、礼儀の良さが好評だったいう。
ゴルフは"紳士のスポーツ"と言われるように、礼儀や作法に厳しい。「ゴルフを通じて礼儀作法を学ばせたい。とくに、しつけが身についていない子どもが年々増えている。ゴルフは、スポーツのなかでもとくに礼儀作法が学べる環境にあるので、育てていきたい」(篠塚氏)と、ジュニア教育にも余念がない。
<ソフトゴルフ導入でゴルフ人口増加に期待>
ゴルフと7人制ラグビーが、2016年(リオデジャネイロ)および2020年オリンピックの正式種目に採用された。これを機に、高齢者でも身体を動かせるスポーツの1つとして、そして健康推進の一環として、ゴルフは今後ますます注目されていくはずだ。
「そのためには、もっと広くゴルフを知ってもらう必要がある」と篠塚氏が考え、考案したのがゴルフを活用した「ソフトゴルフ」だ。これは、まずゴルファーとまったくゴルフをできない人とがペアを組む(以下、コンビ)。第1打がゴルファー、第2打は第1打をマークしたボールを拾い上げ、下手投げで投げる。第3打はゴルファーが打つ。以降は、同様に交互にプレイしていく。グリーン上では2人ともパターを利用し、交互に打つ。スコアはゴルファーが打った数をカウントし、そのほかはゴルフのルールに準ずるというもの。コンビはパター以外打つことなどないため、ゴルフを知らない人でもプレイできる。そのため、家族、会社のイベントなど、いろいろなシーンで利用ができる。ゴルフ場に入ってゴルフの醍醐味が味わえ、コミュニケーションが深まるなどの期待が持てる。何よりも、ソフトゴルフを導入することで、新しいゴルファーを生み出す可能性もあるだろう。
このソフトゴルフは、格式高いゴルフ場の敷居を下げることで、ゴルフ人口の増大を図るとともに、経済効果の一端を担うこともできる可能性を秘めている。篠塚氏の夢は尽きない。
【道山 憲一】
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桜美ゴルフハウス
代 表:篠塚 武久
所在地:福岡市南区長住7-2-21
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