8月8日(コメの日)に東京穀物商品取引所と関西商品取引所にてコメ先物取引が試験上場された。初日は東穀取では値がつかず(9日に60kgあたり1万7,280円の初値)、関西商取では初値で19,210円がつくなど、初日から波乱含みの幕開けとなったようだ。
最近、我々の主食である米がとにかく話題となっている。「今年のお米は大豊作と言われています。6月、7月と昼間暑くて夜から朝方にかけて涼しいのは、よいお米がとれる環境でした。秋の収穫がとても楽しみです」と、米穀関係者は語る。だが、当然ながら不安要素もある。福島第一原発事故の影響により、放射性セシウムが食品に含有されていることが問題となった。茶葉、野菜、肉と次々に食品が検査されるなか、米の検査も避けて通れなかった。
「被災3県といわれる岩手・宮城・福島は我が国においても米どころとして有名です。我が国で年間800万トン米を生産しますが、この3県だけで100万トンは超えてます。今、関東地区を含めて旧市町村単位で検査が行なわれております。3県全てにおいてセシウムが検出されることはないと思いますが...」(前述の米穀関係者)。コメ上場、セシウム問題などを受けて、一部のネットには買い占めを示唆するような書き込みまで出てきた。3月の震災直後に食料品や日用品などの買い占めが行なわれたのは記憶に新しい。前回の買い占め騒動の際は「日本人の品格が欠如している」と、内外から批判を浴びた。今回は風評に惑わされず、買い占めは自粛してもらいたいものだ。
【矢野 寛之】
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