観光地としても有名で別荘地でもある那須塩原には、夏休みとなると関東からの観光客で溢れかえるが、前出の関係者によると、今年の観光客は例年の半分にも満たないという。

　実はこの地、福島原発から100Km圏内の地域。政府は福島原発から半径20～30 Km圏内の地域を緊急時避難準備区域に設定したが、100km圏内も危険だとする専門家もいる。
那須塩原近辺の牧場は、100km圏内で起きる事故の影響を心配し、戦々恐々としていた。そこにきてセシウム牛問題、風評被害、安愚楽牧場の倒産により、那須牛の価値も下がり、観光客も激減、地元の牧場や飲食店は悲鳴を上げている。

　地元紙によると、（株）安愚楽牧場の事業再建計画では、大幅な事業縮小を余儀なくされ、現在飼育している黒毛和牛を大幅に削減するほか、事業縮小にともなう人員削減も避けられない見通しだという。
　観光業や畜産業で成り立っている那須塩原。通常なら混雑しているのだが、逆に今は狙い目。夏休みの旅行を近場で済まそうとしているのなら、那須塩原への旅行を検討してみてはいかがだろうか。

【山本　剛資】

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