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九電でも支えきれなくなってきた企業(前)~(株)川北電工
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2011年8月12日 07:00

kawakitadenko_110811.JPG (株)川北電工(鹿児島市)は、1945年9月、創業者・岡元圓氏によって電気工事業を目的とした川北工務所の設立に始まる。当初は、配電関係を得意とし、鹿児島県の主要都市に事業所を配置。47年6月には九州電力の前身である九州配電(株)と配電工事委託契約を締結するなど、創業時から九電との関係は密接だった。54年7月、法人化を図り(株)川北工務所となる。71年1月に工務部を開設。これにより、送電線工事、発変電工事、通信工事、そして屋内配線工事の営業を開始した。

 78年3月、送電部門が九電の関係取引会社として登録され、ますます九電との関係が密になっていく。84年3月、現在の社名に変更。同年12月、宮崎営業所を足掛かりに鹿児島県外へ繰り出したことで85年1月に建設業大臣許可を取得している。これにより加速的に事業規模を拡大させ、事業の柱の確立がなされていく。86年3月、発変電工事部門が九電に登録されたことで、鹿児島では「送配電の川北電工」として名を馳せるようになった。九電からの受注が飛躍的に増えていく過程である。

 九州地区から販路を広げるため、東京、関西にも支店を開設し、九電以外からの受注の幅を広げていくようになった同社だが、九電からの直接受注に支えられ、売上高はもとより高い収益率を確保してきた。「昔は、7割を超える九電からの受注があったと思います」と、関係者はコメント。密接な関係は現在も続いている。

 同社は九電からすべての事業に関して受注を受けていたわけでない。特別高圧でのBクラスといわれる22kVの配送電を受け持っていただけで、50kVとなるAクラスの工事には技術が未熟だったのか、営業力が足りなかったのは不明だが、現在も手が届いていない。このため、特高のなかでも高いクラスの電圧を有する原子力発電関係の工事にはほとんど関係しなかったようだ。川北電工は、「技術が追いつかないのでしょう。原発に関連する電気工事を取りたいのですが、ほとんど取れませんでした」と、謙虚に同社の技術レベルを語った。それでも九電との関係は続いていたが・・・。

(つづく)

【道山 憲一】


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