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安愚楽牧場倒産で"振り込め詐欺"再発の懸念
社会
2011年8月17日 10:51

 (株)安愚楽牧場代理人弁護士による債権者説明会がきょう(17日)、神戸市のグリーンアリーナ神戸で開催される。債権者説明会は、西日本会場と東日本会場の2回に分けて開催され、東日本会場は東京・墨田区の両国国技館で19日に開催される予定だ。

安愚楽牧場 ただ、代理人弁護士がオーナーに向けて8月上旬に送付した通知書には、資産・負債状況の調査は1カ月内に終了し、その後、今後の方針を再度通知する旨が記載されている。よって、債権者説明会までに資産・負債状況の調査が終了している可能性は少なく、債権者説明会では具体的な方針は示されない見込みだ。 
 同説明会では、東日本大地震の影響で倒産し、民事再生法を選択するに至った経緯など、これまで同弁護士が発表している内容が中心になると思われ、債権者説明会は紛糾することが予想される。
 
 ここで被害者には"二次被害"の危険が待ち受けている。2007年に同じ和牛預託商法の「ふるさと牧場」が破綻した際には、配当金が確定したと偽り、手数料を請求する振り込め詐欺が横行した。
 安愚楽牧場の倒産は、ふるさと牧場の破綻と比較し負債額も大きく、オーナー数も多い。平日に開催する債権者説明会には、参加できないオーナーも多数いるだろう。

 弁護士の名を語り「返済額が確定しました。〇〇〇〇万円の返済が可能です。つきましては手数料〇〇〇万円をお振込みください」といった振り込め詐欺が、再び繰り返される可能性は高い。
 返済額は、安愚楽牧場の資産・負債状況が確定後、代理人弁護士が民事再生法の申請先である東京地裁に再建計画案を提出し、その案が承認されてからでないと、確定しない。返済額の確定は、早くても来年2月頃の見込みだ。
 よって、今の時期に来る返済額の連絡は、ほぼ詐欺と断定して間違いない。全国安愚楽牧場被害対策弁護団の団長を務める紀藤正樹弁護士も、「なんと僕の名前を名乗って振り込め詐欺を働くグループが出ています。気を付けてください」とツイッターで警告している。被害者やその関係者は注意が必要だ。
 

【山本 剛資】

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